貸し農園を借りて野菜つくりを始めたい方へ、その借りる料金、料金相場の点から、貸し農園の選び方についてまとめています。
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目次
貸し農園、といいいましても
貸し農園とは畑、「農地」を貸してくれる農園の事で「レンタル畑」とも呼ばれます。少し前までは都道府県市町村が案内する「市民農園」が多数でしたが、昨今のニーズの合わせて民間の会社や団体が運営する「貸し農園」が増えてきました。
民間の貸し農園で全国的に有名なところを挙げますと「シェア畑」や「マイファーム」などがあります。
さて、貸し農園はいくらで借りる事ができるのでしょう?初めて農園野菜つくりにチャレンジする方はその相場が一番気になるところではあるでしょうが、その前に貸し農園を以下に分類しましたのでご参考下さい。
貸し農園の種類とは?
大雑把に分類しましたので、参考にして下さい。と、いいますのも、このそれぞれの特徴を分かった上でないと、相場だけではなく、どこにしようか?という判断も難しいのでは?と思うからです。
市民農園 |
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農業体験農園 |
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民間の貸し農園 |
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料金相場で知っておきたい事
貸し農園の相場を比較する上で上記のような「農園の種類別の特徴」を把握しておく必要があります。これはどんな場合の見積もり比較でもいえる事ですが、価格料金そのもので比較するのではなく、見積もりの条件を合わせて比較しないと、判断に困る、ということです。
野菜作りは楽しいですし、できた時の喜びは格別です。しかし同時に「難しい」「失敗も多い」という事になります。ですので、野菜作り経験者、農業経験者向けの市民農園が主流でした。
ところが昨今の家庭菜園ブーム、無農薬野菜ブームの中で(この延長で田舎に移住する方も多くなっているのも知られている通りです)畑を借りての野菜つくりをしたい!という方が増えてきました。
にもかかわらず「経験者向けだけの貸し農園(市民農園)」ばかりだとどうでしょうか?たちまち、初心者には敷居が高くなることになりますね。
又市民農園の多くは空きがなかなか出ないので抽選になる事も多く、募集があっても年1回と、この点も難があります。
これらの難点を解決しようとして、野菜つくり初心者目線で登場したのが「シェア畑」や「マイファーム」などの民間が運営する貸し農園です。
つまり、従来の市民農園にはない設備やサービスがあるので、民間の貸し農園の料金相場は高くなる、という事になります。
- 貸し農園の相場は、貸し農園の種類によって違うので、その特徴と照らし合わせて比較した方が良いです。
貸し農園、相場
市民農園と民間運営の貸し農園の相場を表にしました。1桁違うように思いますが、これは先ほどから書いているように、これらは「全然別物」と考えて相場を見て下さい。
(従来型の)市民農園 |
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民間の貸し農園 |
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民間貸し農園の設備・サービスとは?
上の表では「市民農園の年間料金が民間貸し農園の月額料金」と思ってしまうでしょう。
そこで「シェア畑」や「マイファーム」などに特有の点、初心者におすすめする理由を下記にまとめました。
- 菜園アドバイザーなどが常駐しており栽培サポートが受けられる(特にシェア畑)
- 種苗、基本的な肥料、農具、道具などは農園にあり自由に使う事ができる
- トイレ、水道、休憩場などがある農園が多い
- 駐車場がある農園も多い(トイレ、水道の事も含めて農園の遠方からでも通いやすい)
- 市町村以外の住民も利用できる
- スタートする前に無料見学や説明会がある
- 家族や友人などのグループで利用することができる
まとめ
貸し農園おすすめ一覧
貸し農園でのトラブル
- 隣人:区画が隣接しているので作物のはみだしなどで
- 管理人・菜園アドバイザー:アドバイスは有難いが干渉されるのを嫌う場合も出てくる
- 雑草の処理:月に数回は農園へ足を運ぶ必要があり、これを怠れば隣人への迷惑となる。又自分の周辺区画の雑草は野菜の生育にも関係する
- 農薬の使用方法:農薬の使用にはルールがある、無農薬で育てたい人とのトラブル、逆に虫が多く発生した場合野菜栽培に影響
貸し農園のルールをよく理解する事、そして貸し農園内でのコミュニケーションも心がける事がよいです。
貸し農園で作る野菜について
病害虫にも比較的強く、栽培方法も簡単で、家庭菜園や貸し農園野菜つくりが初めての方でも育てやすい野菜を紹介します。
春植え |
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夏植え | ししとう、ゴーヤ(にがうり)、トウモロコシ、オクラなど |
秋に植える |
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口コミ!貸し農園野菜つくり初心者
- ベランダのプランターで細々と花や野菜を栽培している程度だったのに、新聞のチラシに「貸し農園オープン」のお知らせを見つけで始めました。コロナで外出がままならない頃に、自分の畑には気兼ねなく行くことができ、貸し農園野菜つくりを楽しんでいます。
- 最初に必要な道具はいろいろありますが、長靴(泥や土がかなり付くので必ず履き替えます)、軍手(土いじりに必須)、ジョウロにクワにスコップ(これらは民間の貸し農園では常備されていることが多い)の3つが挙げられます。
- 貸し農園野菜つくりを始めてよかったこと「時間を忘れて没頭できる」「子どもと共同作業ができる」「子どもが野菜に興味を持つようになる」などです。逆に害虫「あおむしを敵対視して大嫌いになる事(笑)」も感想の一つです。
貸し農園初心者におすすめの野菜
「夏野菜」といわれるものがおすすめで、シェア畑利用者によるアンケートでも以下のように、上位は夏野菜になっています。
- 1位:トマト
- 2位:キュウリ
- 3位:ナス
- 4位:スイカ
- 5位:枝豆
- 6位:ミニトマト
以下、サトイモ、そらまめ、とうもろこし、ブロッコリー、玉ねぎ、ネギ、大根etcと続きます。
家庭菜園でも同様ですが、畑野菜つくりでも先ずは夏野菜、きゅうり、なす、トマトなどから始めて、自分で作った喜び(感動)とともに美味しくいただくのが良いでしょう。
トマト
- 収穫時期は7月から8月頃。トマトの苗を5月上旬ごろに植えて秋に収穫する
- 一番花が咲いて約50日で収穫
- 強い光が当たる場所、昼と夜の温度差のあるところが良い、日当たりと風通しの良いところ
- トマトの苗は植え付け時期のひと月前ぐらい(4月頃)に園芸店やホームセンター等で販売が開始される
- 良い苗:茎は主枝は短くてえんぴつ以上の太さで、がっちりしているもの、節間が短いもの
- トマトの苗の葉:葉に関しては、鮮やかで濃い色が理想、葉の裏に病害虫が発生していないか確認、花やつぼみがたくさんついている苗を選ぶ
キュウリ
- キュウリの苗を4月下旬から5月中旬頃に植えれば、収穫までおよそ60日ぐらい
- キュウリは暖かい気候を成長も早く生育適温は20から30℃
- キュウリの旬の時期:夏野菜なので6から9月頃が最もおいしい旬の時期
- 1株からきゅうり100本採ることも可能、たくさん収穫できる
- 支柱は、両サイドに1本ずつと上部に1本設置、全体にネットを張る(ツルがからみつきやすくするため)
- キュウリは連作障害を起こすので、地植えの場合は2から3年空けてから同じ場所に植える
- 水やり:開花が始まるまでは1週間に1から2回程(×毎日)開花から収穫までは、朝と夕方の2回、用土の表面を一旦乾かしてから水やりをする
ナス
- 耕土の深い肥沃な畑が適し、肥料を切らさないようにすると長期間多量に収穫でき、1本の株から100本以上を収穫するこも可能
- ナスはトマトなどと同じで3年から4年休みと連作障害なしに作って行くことができる
- ナスが育たない主な原因としてあげられる事は、1栽培時期があっていない、2日当たりが悪い、3気温が低い、4株間が狭い、5土壌が合っていない、6水不足、7肥料不足、8連作をしている、9害虫の被害にあっている、10病害に合っているなど。これらは、貸し農園でナスを植えて収穫していくうえで必要なポイントとなります
- 水やりの回数や頻度:土の表面が乾燥してきたタイミングで行い、又 過多な水やりは病害の原因となるので注意。果実の収穫が始まる頃になると気温も高くなり水をたくさん吸収するので、朝と夕方の2回水やり、とその頻度を増やす
貸し農園の話題・・・
連作障害とは?
貸し農園で長期にわたって畑野菜つくりをしていくうえで知っておきたい「連作障害」についてです。
連作障害とは、同一作物(同じ科の野菜)を同じ圃場で繰り返しつくり続けることによって生育不良となり、収量が落ちてしまう障害のことです。
同じ作物をつくり続けると、土壌の成分バランスが崩れるだけではなく、その作物を好む菌や病害虫の密度が高くなるため、微生物に偏りが出てその科特有の病気になりやすい・・・などが原因とされています。